「AI 導入補助金で入れられないか」と言われたら

経営者から「AI を入れたい。補助金が使えるか調べて」と頼まれ、制度名で検索した方も多いと思います。IT 導入補助金は、2026 年度の公募から「デジタル化・AI 導入補助金」に名前が変わりました。名前に「AI」が入ったことで、AI のツールなら何でも補助されるように見えますが、実際の対象はもっと狭く決まっています。

この記事では、AI を入れたい中小企業の担当者が、次の 3 つを判断できるように整理します。

  • 自社がやりたい AI の導入が、この補助金の対象に入るか
  • いくら補助され、いつまでに申請すればよいか
  • 何をすると補助対象外や返還になるか

内容は 2026 年 10 月 6 日時点の、事務局の公募要領・IT ツール登録要領・事業スケジュールに基づきます。締切と要件は公募回ごとに変わることがあるため、申請前に事務局のサイトで最新の情報を確かめてください。補助金を含めた AI 導入の進め方全体は、AI 導入の進め方|任された担当者の 90 日計画にまとめています。

デジタル化・AI 導入補助金とは (旧 IT 導入補助金)

中小企業庁の告知によると、令和 7 年度補正予算事業から「デジタル化・AI 導入補助金 (旧: IT 導入補助金)」に名称が変わりました。対象は「労働生産性の向上を目的に AI を含む IT ツール (ソフトウェア、サービス等) の導入を検討している中小企業・小規模事業者」です。中小機構の補助金活用ナビも、令和 8 年度から名称が変わったと案内しています。

名前は変わりましたが、仕組みは IT 導入補助金と同じです。通常枠の公募要領は、補助の対象を「IT 導入支援事業者が提供し、あらかじめ事務局に登録された IT ツールの導入費用」と定めています。IT ツールには、AI を含むソフトウェア・オプション・役務・ハードウェアが含まれます。申請は、中小企業と IT 導入支援事業者が「共同事業体」となって事務局に出します。

IT 導入支援事業者は、事務局に登録を申請し、審査で採択された IT ベンダーや販売店です。申請者が自由に選んだ製品を買って後から補助を受ける制度ではなく、登録された事業者が扱う、登録されたツールの中から選ぶ制度だと押さえてください。

2026 年度の枠は次の 4 つで、インボイス枠は 2 つの類型に分かれます。AI を搭載したソフトウェアを 1 社で入れる場合に検討するのは、主に通常枠です。

枠向いている用途
通常枠業務の効率化のためのソフトウェア・クラウドサービス (AI 搭載を含む)
インボイス枠 (インボイス対応類型)会計・受発注・決済のソフトウェアと、あわせて使う PC・レジ
インボイス枠 (電子取引類型)発注側が取引先に無償でアカウントを渡せる受発注のクラウドサービス
セキュリティ対策推進枠IPA の「サイバーセキュリティお助け隊サービス」
複数者連携デジタル化・AI 導入枠商店街やサプライチェーンなど 10 者以上のグループでの導入

枠ごとの補助額・補助率と対象経費

各枠の公募要領から、補助額・補助率・対象経費を抜き出すと次のとおりです。

枠補助額補助率対象経費
通常枠5 万〜150 万円未満 (1 プロセス以上)、150 万〜450 万円以下 (4 プロセス以上)1/2 以内 (条件を満たすと 2/3 以内)ソフトウェア購入費、クラウド利用費 (最大 2 年分)、導入関連費
インボイス枠 (インボイス対応類型)ソフトウェアは〜350 万円 (1 機能なら〜50 万円)、PC 等〜10 万円、レジ等〜20 万円50 万円以下の部分 3/4 以内 (小規模事業者 4/5 以内)、超える部分 2/3 以内。PC・レジは 1/2 以内ソフトウェア購入費、クラウド利用費 (最大 2 年分)、ハードウェア購入費、導入関連費
インボイス枠 (電子取引類型)〜350 万円中小企業・小規模事業者等 2/3 以内、その他の事業者等 1/2 以内クラウド利用費 (最大 2 年分)
セキュリティ対策推進枠5 万〜150 万円1/2 以内 (小規模事業者 2/3 以内)サービス利用料 (最大 2 年分)
複数者連携デジタル化・AI 導入枠基盤導入経費と消費動向等分析経費で〜3,000 万円 (ほかに事務費・専門家費〜200 万円)基盤導入経費はインボイス対応類型と同じ、分析経費と事務費・専門家費は 2/3 以内インボイス対応類型と同様の経費、消費動向等分析経費、事務費・専門家費

AI・ソフトウェアに使える上限は、制度全体の上限とは別に考える

制度全体で最も大きい上限は、複数者連携デジタル化・AI 導入枠の 3,000 万円です。ただし、10 者以上のグループで申請することが前提で、1 社の AI 導入には使えません。このほかに事務費・専門家費が最大 200 万円補助されます。

1 社で AI を搭載したソフトウェアを入れる場合の上限は、通常枠の 450 万円 (補助額) です。さらに、通常枠の対象経費には次の制限があります。

  • 導入コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・導入研修、保守サポートといった役務の費用は、補助対象経費の合計 200 万円 が上限です
  • 導入設定や保守サポートは、対になるソフトウェアを一緒に入れる場合だけ申請できます
  • ハードウェア (パソコンなど) は通常枠の対象経費に入りません。1 社で申請する場合、PC・タブレットを含められるのは、インボイス対応類型で会計・受発注・決済のソフトウェアと一緒に入れる場合で、補助額は 10 万円までです

インボイス枠のソフトウェアの上限は 350 万円ですが、会計・受発注・決済の機能を持つツールが条件です。AI を搭載した会計ソフトなら対象になりえますが、AI のツールなら何でも入れられる枠ではありません。通常枠と同じ期間にインボイス枠へ申請することもできますが、通常枠の審査で減点され、経費の二重計上は認められません。

AI に使えるかの判定

自社がやりたい AI の導入が対象に入るかは、次の 5 つの順で確かめます。

  1. 使いたいツールが、事務局に IT ツールとして登録されているか
  2. そのツールが業務プロセスを持つか (汎用プロセスだけではないか)
  3. 自社専用の開発 (スクラッチ開発) を前提にしていないか
  4. 今使っているツールへの追加ではないか
  5. そのツールを扱う IT 導入支援事業者と組めるか

汎用の生成 AI チャットだけでは申請できない

公募要領は、ソフトウェアの機能を「業務プロセス」と「汎用プロセス」に分けています。業務プロセスは、顧客対応・販売支援、決済・債権債務、供給・在庫・物流、会計・財務・経営、総務・人事・給与など (共 P-01〜05) と、業種固有のプロセス (各業種 P-06) です。

汎用プロセス (汎 P-07) には、文書作成ソフト、表計算ソフト、OCR、グループウェア、社内チャット、Web 会議、RPA、チャットボットなどが挙がっています。公募要領は「汎用プロセスのみを保有する IT ツールは、単独では交付申請不可」と定めています。業務プロセスを持つツールと組み合わせて申請すると、汎用プロセスも 1 プロセスとして数えられます。

公募要領の例示に「生成 AI」という語はありません。生成 AI チャットのツールがどの区分かは、登録時に決まります。汎用プロセスに区分されていれば、単独では申請できません。区分は IT ツール検索やツールを扱う IT 導入支援事業者で確かめてください。業務ツールを入れる計画があるなら、生成 AI チャットもあわせて申請できます。150 万円以上を申請する場合は、汎用プロセスも数に入れて 4 プロセス以上が要ります。

自社専用の AI 開発は対象外

IT ツール登録要領は、IT ツールとして登録できないものとして、次を挙げています。

  • 業務プロセスに影響を与えるような大幅なカスタマイズが必要となるもの
  • 製品が完成されておらず、スクラッチ開発を伴うソフトウェア。過去に特定顧客向けに開発したコードを再利用し、追加のスクラッチ開発を伴うものも含む
  • 特定の顧客向けに限定され、一般市場に販売されていないもの
  • すでに導入済みのソフトウェアに機能を追加するもの (追加モジュール、アドオン、プラグイン) や、購入済みソフトウェアのライセンスの追加購入

自社の業務に合わせて AI エージェントや社内データの検索の仕組みを一から作る開発は、この補助金の対象になりません。補助金の名前に「AI 導入」とあっても、対象は登録された完成品と、それと対になる導入設定・研修などの役務 (AI の初期学習設定を含む) です。

FIXITFIXIT

補助金の名前に AI ってあるのに、AI の開発には使えないの?

HinataHinata

その気持ち、わかります。使えるのは登録済みの完成した製品で、作り込む開発は対象外なんです。

FIXITFIXIT

じゃあ、作り込みが要るかどうかは先に決めないとだめってこと?

HinataHinata

はい。登録ツールで足りるかを先に確かめて、足りない部分の開発費だけ別の予算で組んでみてください。

AI を搭載したツールは IT ツール検索で絞り込める

登録要領では、AI を用いた機能を持つソフトウェアは、登録時にその旨を申告することになっています。申告は「生成 AI」(文章・画像・プログラムなどを生成する AI) と「生成 AI 以外の AI」(分類・分析・判断・予測を行う AI) の 2 区分です。

事務局の IT ツール検索には、「生成 AI を用いた機能を搭載したツールで絞り込む」「生成 AI 以外の AI 技術を用いた機能を搭載したツールで絞り込む」という条件があります。ただし、検索画面には、AI 搭載の有無は IT 導入支援事業者の申告に基づく表示だという注記があり、AI 関連の機能の詳細は IT 導入支援事業者に確認するよう求めています。

検索画面は、2026 年度への移行登録を済ませた事業者とツールを順次反映している途中だとも書いています。探しているツールが見つからないときは、製品の販売元に、2026 年度に登録しているかを直接確かめてください。

通常枠の申請要件

通常枠に申請するには、主に次の要件を満たす必要があります。

  • 日本国内で事業を営む中小企業・小規模事業者であること (業種ごとに資本金・従業員数の上限がある)
  • gBizID プライムを取得していること
  • IPA の「SECURITY ACTION」で一つ星か二つ星を宣言していること
  • 申請時の直近月に、事業場内最低賃金が地域別最低賃金以上であること
  • 1 年後に労働生産性を 3% 以上、事業計画期間 (3 年間) の年平均で 3% 以上向上させる計画を立て、実行すること

労働生産性は「(営業利益 + 人件費 + 減価償却費) ÷ 年間の総労働時間」で計算します。

補助金額 150 万円以上の申請は賃上げ計画が必須で、目標が未達なら返還がある

補助金額を 150 万円以上で申請する場合は、次の賃上げ計画を立て、交付申請の時点で従業員に表明していることが要件になります。

  • 1 人当たり給与支給総額 (非常勤を含む全従業員) の年平均成長率を 3% 以上にする (IT 導入補助金 2022〜2025 で交付決定を受けた事業者は 3.5% 以上)
  • 事業場内最低賃金を、地域別最低賃金 +30 円以上の水準にする

目標を達成できなかった場合は、補助金の返還を求められます。事業場内最低賃金の目標が未達のときの返還額は、補助金額を 3 で割った額に、未達になった年以降の年数を掛けた額です。公募要領の例では、450 万円の補助金で 1 年目に未達なら全額、2 年目なら 300 万円、3 年目なら 150 万円です。給与支給総額の目標が未達のときは、全額の返還を求められる場合があります。

付加価値額の伸びが年平均 1.5% に届かなかった場合 (最低賃金の目標)、付加価値額が増えず 3 年間の過半数が営業赤字だった場合 (給与支給総額の目標)、天災など事業者の責任でない理由がある場合は、返還を求めないとされています。また、医療機関・介護サービス事業者・社会福祉事業者・学校などは、賃上げの要件の適用外です。

150 万円未満の申請では、賃上げ計画は加点項目です。ただし、IT 導入補助金 2022〜2025 で交付決定を受けたことがある事業者は、150 万円未満でも、150 万円以上と同じ 1 人当たり給与支給総額の年平均成長率 3.5% 以上の計画と、従業員への表明が要件になります。この場合も、目標が未達なら返還を求められます。賃上げ目標が必須の申請では、効果報告を期限内に出さなかった場合や、効果報告の前に辞退した場合も返還の対象です。

補助率 2/3 の条件

通常枠の補助率は原則 1/2 以内です。2024 年 10 月から 2025 年 9 月までの間に、「その期間の地域別最低賃金以上、2025 年度改定の地域別最低賃金未満」で雇っている従業員が全従業員の 30% 以上である月が 3 か月以上あると、2/3 以内になります。適用を受けるには、賃金状況報告シートを追加で提出します。

過去に IT 導入補助金を受けた事業者の注意点

  • IT 導入補助金 2025 の通常枠・複数社連携 IT 導入枠で交付決定を受けた事業者は、交付決定日から 12 か月以内は通常枠に申請できません
  • IT 導入補助金 2023 の通常枠 (A・B 類型)・デジタル化基盤導入枠 (複数社連携 IT 導入類型)、IT 導入補助金 2024・2025 の通常枠・複数社連携 IT 導入枠で交付決定を受けた事業者は、労働生産性の目標が 1 年後・年平均とも 4% 以上です
  • IT 導入補助金 2022〜2025 で交付決定を受けた事業者は、審査で減点されます。IT 導入補助金 2024・2025 で交付決定を受けたソフトウェアとプロセスが重なる場合も減点され、すべて一致すると不採択です
  • 通常枠で交付決定を受けられるのは 1 社 1 回で、同時に複数の申請はできません。不採択になった場合は、次の締切回に申請できます

加点項目には、クラウド製品の選定、賃上げ計画、IT 戦略ナビ with または IT 経営サポートセンターの利用、デジタル化セカンドオピニオンの実施などがあります。一覧は公募要領の 3-3 で確認できます。

補助対象外になる経費と行為

通常枠の公募要領が補助対象外とする経費は、次のとおりです。

  • 交付決定前に購入した IT ツール
  • 公租公課 (消費税)
  • 補助金の申請・報告に係る申請代行費
  • 交通費・宿泊費
  • リース・レンタル契約の IT ツール (サイバーセキュリティお助け隊サービスを除く)、中古品
  • 交付申請時に利用金額が定められないもの、対外的に無償で提供されているもの
  • 補助事業者の顧客が実質負担する費用が IT ツールの代金に含まれるもの

注意

交付決定の前に IT ツールを契約・発注・納品・支払いすると、補助金を受けられません。試用のために契約したツールを後から補助対象に含めることもできないため、補助金で賄う予定のツールは交付決定まで契約しないでください。

事業の実施は、交付決定の後に「契約・発注」を先に行い、その後に納品と支払いを進める順番です。支払いは原則として、補助事業者の口座からの銀行振込か、名義の合ったクレジットカードの 1 回払いに限られ、現金や分割払いでは補助金を受けられません。補助事業の実施と実績報告の期間は、交付決定日から 6 か月程度です。

例外として、事務局は 2026 年 9 月 15 日以降にスマートレジの導入や POS レジの改修を行い、後から申請できる「事前着手制度」を告知しています。この制度は、「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」で示された 2027 年 (令和 9 年) 4 月の税率引き下げに対応するもので、公募要領は後日公開、申請受付は 2027 年 1 月頃の予定です。お知らせが挙げている対象はレジで、AI のツールは挙がっていません。

営業の誘い文句にも注意してください。事務局の不正行為の案内は、IT ツールを実質無償にする・後日返金する販売、紹介料の受け取り、gBizID を他者に渡して申請手続きを代わりに行わせることなどを不正の例に挙げています。公募要領も、申請マイページのログイン情報を、IT 導入支援事業者を含む第三者に渡さないよう定めています。

申請の流れ

公募要領の手順を、申請者の視点で 3 段階にまとめると次のとおりです。

flowchart LR
  A["準備<br/>相談・ツール選定<br/>gBizID・SECURITY ACTION"] --> B["交付申請<br/>申請マイページ開設<br/>計画の確認・提出"]
  B -->|交付決定| C["事業実施と報告<br/>契約・導入・支払い<br/>実績報告・効果報告"]
  1. 準備。IT 導入支援事業者に相談し、導入するツールを選んで見積もりを取ります (この段階では契約しません)。gBizID プライムの取得と SECURITY ACTION の宣言を済ませます
  2. 交付申請。IT 導入支援事業者から招待を受けて申請マイページを開設し、申請者の情報を入力します。事業計画と IT ツールの情報は IT 導入支援事業者が入力し、申請者が確認・宣誓して、申請者自身が事務局に提出します。法人は履歴事項全部証明書、法人税の納税証明書、直近の貸借対照表と損益計算書が必要です
  3. 交付決定の後。契約・導入・支払いを行い、IT 導入支援事業者と一緒に実績報告を出します。補助金の額が確定すると、事務局から補助金が振り込まれます。その後、効果報告を出します

申請は IT 導入支援事業者との共同作業で、どの事業者と組むかが申請の質を左右します。事務局は IT 導入支援事業者の一覧を公開しているほか、登録を取り消した事業者も告知しています。選ぶときは、導入後の運用支援まで担ってくれるかを確かめてください。

締切 (2026 年 10 月 6 日時点)

事務局の事業スケジュールでは、2026 年 10 月 6 日時点で次の回が受付中または公表済みです。通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠は同じ日程です。5 次 (9 月 29 日締切) までは受付を終えています。

回締切交付決定 (予定)事業実施・実績報告の期限 (予定)
6 次2026 年 10 月 30 日 (金) 17:002026 年 12 月 10 日 (木)2027 年 5 月 31 日 (月) 17:00
7 次2026 年 12 月 1 日 (火) 17:002027 年 1 月 19 日 (火)2027 年 7 月 30 日 (金) 17:00
複数者連携デジタル化・AI 導入枠 3 次2026 年 10 月 30 日 (金) 17:002026 年 12 月 10 日 (木)2027 年 5 月 31 日 (月) 17:00

事務局は「確定している募集回のスケジュールのみ公表」としており、8 次以降は 2026 年 10 月 6 日時点で公表されていません。締切は当日 17:00 で、締切の直前は申請画面へのアクセスが集中して時間がかかるとも注意しています。

10 月 30 日の回に出すなら、残りは 3 週間あまりです。gBizID プライムの取得、SECURITY ACTION の宣言、IT 導入支援事業者からの招待と事業計画の入力が終わっていなければ、12 月 1 日の回を目標にするほうが現実的です。どちらの回でも、交付決定が出るまでは契約しない段取りで計画してください。

補助金で賄えないときの選択肢

AI の導入でやりたいことが、この補助金の対象に入らない場合もあります。

  • 汎用の生成 AI を全社で使い始めたい。業務ツールとの組み合わせが無ければ、この補助金では申請できません。補助金を使わずに小さく始め、社内ルールを先に整えるのが現実的です。ルールの作り方は生成 AI の社内ガイドラインにまとめています
  • 自社専用の AI の仕組みを開発したい。スクラッチ開発は対象外です。開発費を対象にする別の補助金を検討する場合は、その制度の公募要領で対象経費と締切を確かめてください
  • 社員の AI 研修の費用を賄いたい。研修の費用は、厚生労働省の人材開発支援助成金の対象になりえます。条件と期限は AI 研修に使える助成金で整理しています
  • 従業員の少ない事業者が、販路開拓とあわせて業務を効率化したい。小規模事業者持続化補助金の締切と使える範囲は、AI 導入の 90 日計画の補助金の節にまとめています

制度の選び方そのものは、中小企業の DX 推進と補助金で整理しています。補助金は、計画が決まってから当てはめます。補助金に合わせて導入するツールを決めると、使われないツールが残りやすくなります。

FIXIT の運用 — 補助金の対象外の部分を支援する

FIXIT は、デジタル化・AI 導入補助金の IT 導入支援事業者として登録していません。そのため、この補助金の共同申請や、補助対象の IT ツールの提供はできません。補助金の申請は、登録された IT 導入支援事業者と進めてください。

FIXIT の支援は、この補助金の補助対象になりません。そのうえで、次の部分を支援しています。

業務 DX 伴走支援は、連絡を Slack へ、メールとファイルを Google Workspace へ集約し、生成 AI を日常業務で使えるようにするところまで支援するサービスです。補助金の対象になる業務ツールを入れる前に、連絡やファイルが個人の LINE や PC に散らばっていて、AI に渡す情報が会社に残っていない状態を解消したい会社に向いています。

登録された製品では足りず、自社の業務に合わせた AI の仕組みが要ると分かった場合は、AI エージェント開発で、自動化する業務の切り分けから相談を受けています。

まとめ

デジタル化・AI 導入補助金は、IT 導入補助金の新しい名前で、事務局に登録された IT ツールを IT 導入支援事業者と共同で申請する仕組みは変わりません。1 社で AI を搭載したソフトウェアを入れるなら通常枠が中心で、補助額は最大 450 万円、補助率は 1/2 以内 (条件を満たすと 2/3 以内) です。汎用の生成 AI チャットだけの申請と、自社専用のスクラッチ開発は対象外です。150 万円以上の申請は賃上げ計画が必須で、目標が未達なら返還があります。交付決定前の契約と消費税は補助対象外です。

次の一歩は、IT ツール検索で、使いたい AI のツールが登録されているかと業務プロセスの区分を確かめ、そのツールを扱う IT 導入支援事業者に 10 月 30 日か 12 月 1 日の回に間に合うかを相談することです。補助金の対象に入らない社内の情報整理や AI の仕組みづくりは、お問い合わせからご相談ください。