AI 導入を任されたら、最初に決めるのは「目的」と「最初の業務」
経営層から「うちも AI を導入しよう」と言われ、担当を任されたとします。調べ始めると、ツールの比較、補助金の案内、他社の事例、研修の広告が一度に出てきて、どこから手を付けるかが決まりません。
AI 導入で最初に決めるのは、ツールではなく「何のために入れるか」と「最初にどの業務で試すか」です。ここが決まらないまま全社に配ると、使う人と使わない人に分かれ、効果を説明できないまま終わりやすくなります。
本記事は、AI 導入を任された担当者に向けて、90 日で何を決め、何を用意するかを段階ごとに整理します。中小企業を中心に書きますが、段階の考え方は企業規模を問いません。具体的な活用事例は AI 活用事例 8 選 に、AI に限らない DX 全体の進め方は DX 推進とは?何から始めるかと進め方 7 ステップ にまとめています。
日本企業の AI 導入はどこまで進んでいるか
社内で説明するとき、他社の状況は最初に聞かれる材料です。総務省の 令和 8 年版 情報通信白書 (2026 年 7 月) に、企業向けアンケートの結果が載っています。
調査の母数と対象を先に押さえておきます。調査は 2026 年 1〜2 月のインターネット調査で、対象は従業員 10 名以上かつ 2025 年までにデジタル化の取り組みを始めた企業に勤める、管理職以上の人です。日本の有効回答は 515 件 (大企業 353 件、中小企業 162 件) でした (付注)。白書はこの調査を「2025 年度企業向け調査」と呼んでいます。デジタル化に着手していない企業は含まれないため、日本企業全体より進んだ層の数字として読んでください。
| 項目 | 結果 | 母数・条件 |
|---|---|---|
| 生成 AI を活用する方針がある | 68.9% (前年度の調査では 49.7%) | 日本の回答企業全体 |
| 同上 (企業規模別) | 大企業 74.0%、中小企業 58.1% | 同上 |
| 組織的な取り組みはない | 27.0%。中小企業で特に高い傾向 | 「利用を禁止している」と答えた企業を除く |
| 何らかの業務で生成 AI を利用している | 86.4% | 活用方針の設問で「わからない」と答えた企業を除く |
| よく使われている業務 | 議事録・メール作成補助が約 7 割、営業・販売が約 6 割 | 同上 |
方針を持つ企業は前年度から大きく増えましたが、中小企業は大企業より 16 ポイント近く低く、組織として取り組んでいない割合も高い結果でした。白書は、組織的に取り組んでいる中小企業では「経営幹部から各部署に対して実施事項や達成目標が提示されている」という回答が最も多かったことから、トップダウンの関与がキーポイント だとしています。担当者が 1 人で抱えるのではなく、経営者に方針と目標を出してもらうところから計画に入れてください。
AI 導入のメリットとデメリット
導入の判断材料として、メリットとデメリットを並べておきます。メリットとデメリットは、総務省の白書の調査結果と、白書が先行企業へのヒアリングや有識者の指摘として紹介した内容をもとに整理しています。費用の項目は本記事の整理です。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| メリット | 議事録やメールの作成補助など、文書を扱う個人作業の時間を減らせる (この業務で効果を実感した割合は約 7 割) |
| メリット | 社内ヘルプデスクや営業・販売など、繰り返し発生する業務を AI と人の分担で組み直せる |
| メリット | 現場や個人に溜まっていた知見を文書にして AI に読ませると、会社全体で使える資産になる |
| デメリット | 社員が個人の判断で無料のツールに業務情報を入力する「シャドー AI」が、情報漏えいの原因になる |
| デメリット | 事実と異なる内容の出力 (ハルシネーション) や、利用者の意見に過剰に同調する出力が混ざる |
| デメリット | 環境を用意しても、一部の積極的な社員だけが使い、全社の効果に届かないことがある |
| デメリット | ライセンス費に加え、ルール作り・研修・効果測定の工数がかかる |
デメリットのうち、情報漏えいと誤った出力は、ツールの選び方とルールで減らせます。使われない問題は、配った後の進め方で決まります。次の節から、ツールとルールの準備、配った後の広げ方の順に計画を組みます。
AI 導入は 2 段階で考える
総務省の白書は、AI 活用で先行する企業へのヒアリングから、AI 導入・活用による効果創出のステップ を 2 段階で示しています。
| 段階 | やること | 主な費用 |
|---|---|---|
| 1. 汎用 AI で個人作業を効率化する | 情報漏えい対策を施した法人向けの生成 AI 環境を用意し、利用ルールを周知する。使い方の例を集めて社内に広げる | ライセンス費、ルール作りと研修 |
| 2. AI を組み込んで業務を変える | 経営判断で優先する業務を決め、AI に補助させる作業と AI に任せる作業を分けて、業務の流れ全体を設計し直す | 社内システム・社内データとの連携の開発費 |
主な費用の列は本記事の整理です。
1 段階目は、少ない投資で始められます。ChatGPT や Gemini などの法人向けプランを契約し、ルールを決めて配るところまでは、開発を伴いません。白書は、先行企業がこの段階を環境の整備で終わらせず、使い方の例の収集や社内への展開、定期的なワークショップまで行っていたと紹介しています。
2 段階目では、社内の規程やマニュアルを AI に読ませて答えさせる仕組みや、問い合わせの一次対応を担う AI エージェントのように、業務の流れに AI を組み込みます。ここで初めて開発が要ります。どの作業を AI に任せられるかの判断基準は AI エージェントとは? に、小さく作って本番に進むかを決める手順は PoC とは? にまとめています。
FIXITいきなり社内向けの AI を作ったほうが早くない?
Tsukasa結論から言うと、先に汎用の AI を配って、どの業務で社員が AI に何を聞いているかを掴むほうが早いです。
FIXIT作るのはそのあとってこと?
Tsukasaはい。作るかどうかは、汎用の AI では答えられない質問が業務で繰り返し出ているかで決めます。
進め方: 90 日の 4 フェーズ
1 段階目を立ち上げ、2 段階目に進むかを決めるまでを、90 日の 4 フェーズに分けます。日数は本記事が提案する目安で、制度や公的資料で決まった期間ではありません。補助金を使う場合は、後述の締切と交付決定日に合わせて前後させてください。
| フェーズ | 期間 | 決めること・作るもの |
|---|---|---|
| 1 | 1〜14 日目 | 導入の目的、最初に試す 2〜3 業務、今の処理時間と件数 |
| 2 | 15〜35 日目 | 法人向けのツールの契約、利用ルール、少人数での試行の結果 |
| 3 | 36〜70 日目 | 部門ごとの使い方の例、研修、問い合わせ窓口 |
| 4 | 71〜90 日目 | 効果の測定結果、次の四半期の投資計画、業務への組み込みに進むかの判断 |
フェーズ 1 (1〜14 日目): 目的と最初の業務を決める
最初に、経営層と「何のために入れるか」を 1 文で合意します。「問い合わせ対応の待ち時間を減らす」「提案書の作成時間を減らして商談の数を増やす」のように、測れる言葉にしておくと、フェーズ 4 で効果を説明できます。
次に、部門長に業務の棚卸しを依頼し、試す業務を 2〜3 個に絞ります。週に何時間使っているか、判断ではなく作業が占める割合はどれくらいか、AI の出力の誤りを人が確認できるか、の 3 点で選ぶと絞りやすくなります。棚卸しの手順は 業務効率化は何から始める? に、業種ごとの使いどころは 業種別 生成 AI 活用おすすめマップ にまとめています。
選んだ業務は、今の処理時間と件数をこの時点で測っておきます。導入前の数字が無いと、後から効果を比べられません。
フェーズ 2 (15〜35 日目): 環境とルールを用意し、少人数で試す
法人向けのプランを選び、試す業務の担当者と経営者を含む 3〜5 名で 2 週間ほど使います。グループウェアに合わせて選ぶと、アカウント管理と社内データの扱いをまとめやすくなります。法人向けプランの違いは 法人向け生成 AI 契約プラン比較 2026 で比べられます。
試行と並行して、利用ルールを作ります。入力してはいけない情報、出力を使う前に確認すること、社外に出すときの扱いを決め、就業規則との関係も確認します。ルールの作り方は AI 事業者ガイドラインを社内の生成 AI 利用ガイドラインに落とし込む に、就業規則の改定は AI 就業規則の改定ポイント にまとめています。
個人の無料プランを業務で使っている社員がいる場合は、このフェーズで実態を聞き取り、法人プランへ切り替えます。白書も、シャドー AI への対策として、情報漏えい対策を施した社内の環境を用意し、利用ルールを周知することを挙げています。
注意
デジタル化・AI 導入補助金を使う場合、交付決定前に契約・発注した IT ツールは補助対象外です。補助金で賄う予定のツールは交付決定まで契約せず、試行に使う契約は補助対象に含めない前提で計画してください。
フェーズ 3 (36〜70 日目): 部門ごとの使い方を配り、研修する
試行で効果が見えた業務から、部門ごとに「この業務でこう使う」という例とプロンプトのひな形を配ります。総務省の白書では、日清食品グループが部門ごとに対象業務を選び、ひな形を作り、効果を測る取り組みを少しずつ広げた結果、社内の生成 AI 利用率が直近で 7 割を超えたと紹介されています。
研修は、全社員向けの基本 (操作、禁止事項、出力の確かめ方) と、部門の実際の資料を使う演習に分けます。研修の組み立ては 全社 AI リテラシー研修の設計 に、情報漏えい対策の確認項目は 生成 AI 情報漏洩対策と社内利用チェックリスト にまとめています。あわせて、操作の質問を受ける窓口 (社内チャットのチャンネルなど) を開けておくと、使い始めの離脱を減らせます。
フェーズ 4 (71〜90 日目): 効果を測り、次の投資を決める
フェーズ 1 で測った処理時間と件数を、同じ方法で測り直します。あわせて、利用者の割合、部門ごとの利用回数、保存されたひな形の数を確かめます。指標の組み立ては AI 導入効果を数値化する KPI・ROI 設計 を参照してください。
結果をもとに、次の四半期の計画を決めます。汎用の AI で効果が出た業務は横に広げ、汎用の AI では答えられない質問が繰り返し出ている業務は、2 段階目 (業務への組み込み) の候補にします。
費用の考え方: 3 つに分けて見積もる
AI 導入の費用は、何を作るかで大きく変わります。稟議では次の 3 つに分けて見積もると、どこまでが固定費で、どこからが投資判断かを説明しやすくなります。
| 費用の区分 | 中身 | 決まり方 |
|---|---|---|
| ライセンス費 | 法人向けプランの利用料 | 利用人数と契約期間 |
| 定着の費用 | 環境の設定、利用ルール、研修、問い合わせ対応 | 対象人数、部門数、社内で担える範囲 |
| 業務への組み込み | 社内文書を読ませる仕組み、AI エージェント、社内システム連携 | 扱う文書の量、連携するシステムの数、精度の目標 |
1 段階目にかかるのは、ライセンス費と定着の費用です。ライセンスの単価は各社の料金ページで確認してください。定着の費用は、社内で推進役を立てるか外部に頼むかで変わります。業務への組み込みは開発になるため、先に小さく試して効果と費用を確かめてから、本格的な開発に進むかを決めます。
FIXIT が公開している料金レンジは、業務 DX 伴走支援 (連絡・情報基盤を Slack・Google Workspace へ移し、Gemini などの活用と定着まで伴走) が 10 名規模で 150 万〜350 万円、研修が 90 万〜250 万円、AI エージェントの開発が PoC で 300 万円から、本格運用で 800 万〜1,800 万円です (いずれも税抜)。サービスごとの範囲は後述の「FIXIT の支援」の節にまとめています。
2026 年度に使える補助金・助成金 (2026 年 10 月 5 日時点)
補助金は、計画が決まってから当てはめます。補助金に合わせて導入するツールを決めると、使われないツールが残りやすくなります。ここでは 2026 年 10 月 5 日時点で募集中、または募集予定が公表されている制度だけを載せます。締切や要件は公募回ごとに変わるため、申請前に必ず公式の公募要領を確認してください。
| 制度 | 主な対象 | 次の締切・受付 |
|---|---|---|
| デジタル化・AI 導入補助金 2026 (通常枠) | 登録された IT ツール (AI を含む) の導入費 | 2026 年 10 月 30 日 (金) 17:00 (次の回は 12 月 1 日) |
| 小規模事業者持続化補助金 (一般型 通常枠 第 20 回) | 販路開拓と、あわせて行う業務効率化の経費 | 2026 年 11 月 5 日〜12 月 15 日 (火) 17:00 (商工会議所の事業支援計画書は 12 月 4 日 (金) まで) |
| 人材開発支援助成金 (事業展開等リスキリング支援コース) | 職務に関連する研修の経費と訓練中の賃金 | 計画届は訓練開始日の 6〜1 か月前。コースは令和 8 年度末 (2027 年 3 月 31 日) までの時限措置 |
デジタル化・AI 導入補助金の AI に使える範囲と締切は デジタル化・AI 導入補助金 2026 とは に、補助金制度の選び方は 中小企業の DX 推進と補助金 にまとめています。
デジタル化・AI 導入補助金 2026 (旧 IT 導入補助金)
IT 導入補助金は、令和 8 年度から「デジタル化・AI 導入補助金」に名称が変わりました (中小機構の案内)。通常枠の公募要領 は、補助対象の IT ツールに含まれるソフトウェアについて、AI を含むと明記しています。
| 項目 | 通常枠の内容 |
|---|---|
| 補助額 | 5 万〜150 万円未満 (1 プロセス以上)、150 万〜450 万円以下 (4 プロセス以上) |
| 補助率 | 1/2 以内。2024 年 10 月〜2025 年 9 月に、その期間の地域別最低賃金以上〜2025 年度改定の地域別最低賃金未満で雇用する従業員が全従業員の 30% 以上の月が 3 か月以上あると 2/3 以内 |
| 対象経費 | ソフトウェア購入費、クラウド利用費 (最大 2 年分)、導入関連費 |
| 締切 | 6 次: 2026 年 10 月 30 日 (金) 17:00。交付決定は 12 月 10 日 (木) 予定、事業の実施は 2027 年 5 月 31 日 (月) まで (予定) |
| 締切 (次の回) | 7 次: 2026 年 12 月 1 日 (火) 17:00。交付決定は 2027 年 1 月 19 日 (火) 予定、事業の実施は 2027 年 7 月 30 日 (金) まで (予定) |
公式の事業スケジュール では、10 月 30 日の回の次に 7 次締切 (2026 年 12 月 1 日 (火) 17:00、交付決定 2027 年 1 月 19 日 (火) 予定、事業実施は 2027 年 7 月 30 日 (金) まで予定) が公表されています。
150 万円以上の申請は、賃金引上げ計画の策定と従業員への表明が要件です (未達の場合は返還あり)。
AI 導入に使うときに注意する点は 3 つあります。
- 汎用プロセスのツールだけでは申請できません。公募要領は文書作成、グループウェア、社内チャット、RPA、チャットボットなどを汎用プロセスの例に挙げており、会計や顧客対応などの業務プロセスを持つツールと組み合わせる必要があります
- 事務局に登録された IT ツールが対象で、IT 導入支援事業者と共同で申請します。生成 AI を使うツールも、登録の有無と区分、AI の搭載の有無は公式サイトの IT ツール検索で確認できます
- 交付決定前に契約・発注・支払いをした費用は補助対象外です。消費税も対象外です
小規模事業者持続化補助金 (一般型 通常枠 第 20 回)
従業員の少ない事業者向けの補助金です。第 20 回の公募要領 (商工会議所地区) では、申請の受付が 2026 年 11 月 5 日 (木) から 12 月 15 日 (火) 17:00 まで、商工会議所が発行する事業支援計画書 (様式 4) の受付締切が 12 月 4 日 (金) です。
- 対象者は、常時使用する従業員が商業・サービス業 (宿泊業・娯楽業を除く) で 5 人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他で 20 人以下の事業者
- 補助上限は 50 万円で、インボイス特例で 50 万円、賃金引上げ特例で 150 万円が上乗せされる。補助率は 2/3 (賃金引上げ特例のうち赤字事業者は 3/4)
- 目的は販路開拓などの取り組みと、それとあわせて行う業務効率化。AI の導入だけを目的にした申請ではなく、販路開拓の計画の中で使う形になる
- システム開発や業務効率化のためのソフトウェアの費用はウェブサイト関連費に計上し、この経費の補助金は 30 万円 (税込) が上限で、ほかの経費と一緒に申請する必要がある。一般事務用のソフトウェアは対象外
商工会地区の事業者は、窓口と公募要領が別になります。地域の商工会・商工会議所に確認してください。
人材開発支援助成金 (事業展開等リスキリング支援コース)
研修の費用は、厚生労働省の人材開発支援助成金が対象になりえます。事業展開等リスキリング支援コースは 令和 4〜8 年度の期間限定の助成金 で、中小企業は訓練経費の 75% が助成されます。受講者の職務に関連する 10 時間以上の OFF-JT であること、訓練開始日の 6〜1 か月前に計画を届け出ることなどの要件があり、ツールの操作方法を覚えるだけの研修は対象になりません。フェーズ 3 の研修のうち、部門の業務に沿った演習の部分を組み立てるときに検討してください。対象になる条件と期限は AI 研修に使える助成金 で詳しく整理しています。
補足
DX 投資促進税制は、令和 7 年度税制改正の大綱 (2024 年 12 月 27 日閣議決定) で「適用期限の到来をもって廃止する」とされた制度です。2026 年度の AI 導入の計画には入れられません。
中小企業で進めるときの体制
中小企業では、推進専任の部署を作らずに始められます。経営者が目的と目標を出し、試す業務の部門長 2〜3 名が兼務で推進役を担う形にすると、決裁までの段取りが少なくて済みます。
担当者 1 人に任せる場合は、少なくとも次の 3 つを経営者に決めてもらってください。
- 導入の目的と、90 日後に何で効果を判断するか
- 試す業務と、その業務の部門長が推進役を兼ねること
- 利用ルールの承認者と、違反があったときの扱い
外部に頼む範囲は、社内に知見が無い部分に絞ります。補助金は IT 導入支援事業者 (デジタル化・AI 導入補助金の共同申請) や商工会・商工会議所 (持続化補助金の事業支援計画書) の支援を受けられます。ルールと定着は伴走型の支援が、業務への組み込みは開発を担う外部パートナーが担います。外部に丸投げすると、運用が始まってから社内で直せない状態が残ります。最初から社内に手順と使い方が残る形で頼むと、2 つ目以降の業務を自社で広げられます。従業員への浸透の全体像は 従業員に AI を使わせて生産性を上げる経営者ガイド 2026 にまとめています。
AI 導入で失敗する 5 つのパターン
計画の段階で、次の 5 つを避けるように組んでおきます。
- 配るだけで終わる。目的と対象業務を決めずに法人プランを全員に配ると、一部の社員しか使わず、効果を説明できません。総務省の白書が紹介する先行企業も、環境の整備で終わらせず、使い方の例を集めて社内に広げていました
- 経営者が使わない。号令だけで経営者自身が使っていないと、現場は業務の中で優先しません
- ルールを後回しにする。何を入力してよいかが決まっていないと、現場は使うのをためらうか、個人の無料ツールで使い続けます
- 時間削減だけを指標にする。減った時間で別の仕事が増えるだけになると、現場が使う理由を失います。品質や対応件数など、目的に合わせた指標を並べます
- 補助金のために契約を急ぐ。交付決定前の契約は補助対象外です。締切に合わせて導入するツールを決めると、計画と合わないツールが残ります
FIXIT の支援 — 公開している範囲と期間・費用
FIXIT は、本記事の 2 段階のどちらも扱っています。自社の公開事例は、期間と費用だけを示します (いずれも税抜)。
| 段階 | サービス | 公開している料金レンジ |
|---|---|---|
| 1. 汎用 AI の環境と定着 | 業務 DX 伴走支援 | 10 名規模 150 万〜350 万円 (Slack・Google Workspace への移行、Gemini などの活用と定着まで) |
| 1. 研修 | AI 活用研修 | 90 万〜250 万円 |
| 2. 業務への組み込み | AI エージェント開発 | PoC 300 万円〜、本格運用 800 万〜1,800 万円 |
業務 DX 伴走支援は中小企業向けで、連絡を Slack へ、メールとファイルを Google Workspace へ移し、Gemini などの生成 AI を日常業務で使える状態にするまでを伴走します。公開事例の 工務店の連絡・情報の脱属人化 は、移行作業と定着サポートで約 2〜3 ヶ月でした (費用は非公開)。業務への組み込みの公開事例 問い合わせの一次対応の自動化 は、6 週間・800 万〜1,200 万円 (本案件相当の目安) です。
まとめ
AI 導入は、汎用の生成 AI を安全に使える環境とルールを整える段階と、業務の流れに AI を組み込む段階に分けて考えます。開発費が要るのは 2 段階目からです。総務省の調査では、生成 AI の活用方針を持つ企業は増えている一方、中小企業では組織として取り組んでいない割合が高く、経営者の関与が鍵とされています。
次の一歩は、経営者と導入の目的を 1 文で合意し、試す業務を 2〜3 個に絞って、今の処理時間と件数を測ることです。補助金を使うなら、デジタル化・AI 導入補助金の 10 月 30 日か 12 月 1 日の締切に間に合うかを、IT 導入支援事業者と早めに確かめてください。製造業での進め方は 製造業の AI 活用と基幹システム刷新の進め方 も参考になります。
どの業務から始めるか、ルールと定着をどう進めるかを相談したい場合は、お問い合わせ からご連絡ください。AI 駆動開発のクリエイティブスタジオとして、目的と業務の整理から定着、業務への組み込みまで伴走します。



